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2023年8月18日 / 最終更新日時 : 2023年8月18日 wpmaster NEWSLETTER

Newsletter vol.13  生産情報システムのプロトタイプ 

長沼 恒雄

 最初にアスカカンパニーのセンシングによる生産に関わる装置の情報収集方法について説明をする.一番多く使われているセンサーは電流値を計測するCTセンサーである.このセンサーを装置の電源ブレーカーに接続されているケーブルにクランプすれば,電流値が計測できる.そして,センサーをラズベリーパイというワンボードマイコンに接続し,LANケーブルまたはWi-Fi接続よりネットワーク経由でサーバーにデータを送る.この方法は単純な仕組みであり,安価である.この仕組みを使った事例はアスカマーケットニュース(2023年5月号https://askacompany.co.jp/market-news/19339/)に紹介されている.

 アスカ社内でのセンサーシステムの主たる使用目的は装置の監視が中心である.このシステムを生産機械の電源に取り付けて,生産数や休止時間の取得ができないかと考えた.そこで,実際の現場で,人がくりかえし手作業により成型する機械の電源に取り付けたところ,生産数の取得できることがわかった.図1はその時のデータを示し,赤い点が上下していることがわかる.この連続した下上下1回のサイクルが1回の加工(生産)である.データ所得方法の詳細については省くが,時間分解能を低く設定したので,折れ線グラフになる.また,データにはノイズなどの様々な要素のデータが含まれているのでデータクレンジング(1)が必要である.データ解析により,生産機械の稼働状況を取得できることはわかったが,これらのデータを現場でどのように活用するかが重要である.

 図1のデータをそのまま現場の作業者が見ても役には立たない.しかし,このような生産に関するビッグデータは取得できているので,生産情報システムの設計は容易にできる.通常,情報システムのデザイナーは設計した概念図やスクリーンの画面のスケッチなどをもとにユーザーと会話し,システムを作成していく.この方法だと,システムが稼働してからの修正が発生し,システムの立ち上がりが遅くなることも多い.一方,実際の生産データがあるので,デザイナーはシステムのプロトタイプを作成し,アジャイル開発(2)を行えば,ユーザーの期待したものが出来あがる.しかし,プロトタイプの製作はコストと時間がかかるという課題がある.そこで次のような方法を考えてみた.

 電流値データからの機械の稼働率の算出方法をプログラミング言語のPythonを使って,シミュレーションをする.Pythonはオープンソースプログラムであり,数多くのライブラリーが提供されているので,コードを書く時間の効率化が図れる.クレンジング処理などの算出方法のアルゴリズムが決まれば,機械の稼働状況をどのような表現でユーザーに伝えるかを検討する.これについては,データベース(DB)と連携できるBIツール(3)を使って見える化のシミュレーションをする.BIツールは数多く存在するが,アスカ社内ではMetabaseというオープンソースを使用している.このツールはいわゆるローコードなので,人は専門的な知識がなくても社内基幹DBにあるデータを使用して,ダッシュボードを作成できる.具体的には,各部門の事務担当者がエクセルを操作するような感覚で,DBから必要なデータを取り出し,グラフなどに要約し,事象の見える化を行っている.

 現在,このようにCTセンサー,ラズベリーパイ,Python,Metabaseというシンプルなツールを組み合わせて,生産情報システムのプロトタイプ構築にチャレンジをしている.その最大の特徴はアジャイル開発であり,開発工数の低減である.現在進行中の案件なので,プロトタイプが完成すれば,その結果を報告したい.


(1)データクレンジング

破損したデータ、不正確なデータ、無関係のデータを特定して解決する手法を指します。データ処理におけるこの重要な段階は、データスクラビングまたはデータクリーニングとも呼ばれ、企業データの一貫性、信頼性、価値を向上させる.

出典:https://www.talend.com/jp/resources/what-is-data-cleansing/

(2)アジャイル開発

要件定義/設計/実装/テスト/リリースといったシステム開発のサイクルを小さな単位で繰り返し行う開発手法.

出典:https://www.dir.co.jp/world/entry/agile-development

(3)BIツール

基幹系・情報系・戦略系システム等に日々蓄積される膨大なデータを収集・分析し、企業の意思決定に役立つ形でアウトプットするものである.

出典:https://www.smbc.co.jp/hojin/magazine/planning/about-bi.html

長沼 恒雄

アスカカンパニー㈱ 代表取締役 兼 CTO, 博士(情報科学)

アスカクラフト㈱ 代表取締役社長,㈱アスカコネクト 取締役

加東市商工会 副会長

株式会社サクラクレパスで品質管理を担当.その後,父親の経営するアスカカンパニー株式会社に入社し,アメリカの現地法人社長などを経て,2代目の後継者として約20年間社長として会社を牽引.現在は3代目の弟の長沼誠に社長をバトンタッチ.

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