Newsletter vol.11 ゴルフ場来訪者のデータ活用
長沼 恒雄
まず,アスカコネクトの所在地の兵庫県加東市の位置について説明する.兵庫県の北播磨地域にあり,人口4万人ほどの地方都市である.アクセスは車が便利で,大阪空港からは中国道を利用すれば40分ほどで来ることができる.電車ではJR大阪駅から山陽本線,途中加古川で乗り換えて1時間40分程度であるが,加古川線は単線で1時間に1本しか電車が走っておらず不便である.
前置きが長くなったが,読者の中には,ゴルファーの方も多いのではと推測する.筆者は加東市民であり,加東市ゴルフ協会の副会長も仰せつかっていることもあり,今月は加東市内のゴルフ場のお話をしたいと思う.
日本のゴルフ場は全国に2,133(令和5年4月)ある.都道府県別では1位の千葉県が157,2位の兵庫県が152である.(1) 兵庫県内の市町村別では三木市25,神戸市24,加東市16か所となっており,県下で3番目である.このような背景もあり,加東市はゴルフ場の支援に力を入れている.
加東市内のゴルフ場は互いがライバルでもありながら,その関係性は良好で,協力して事業も行っている.本稿では長年,行っている事業の一つである「スタンプラリー」を紹介する.毎年,来場したゴルファー全員にスタンプカードを配布し,7~9月の3か月間に加東市内にある16ゴルフ場の中で3か所の異なるゴルフ場でプレーをしてもらう.配布したカードにプレーしたゴルフ場からスタンプをもらい,3か所目のゴルフ場でカードを提出してもらえば,後日郵送で自宅にゴルフ優待券がもれなく届くという仕組みになっている.
ここからが本題のデータサイエンスの話になる.カードに記入されている情報について説明をする.この事業は加東市から補助金が出ているので,不正防止の観点から,名前,性別,郵便番号,住所,電話番号を記入してもらい,優待券の送付をする仕組みになっている.それ以外の情報として,3か所のプレーしたゴルフ場名,プレー日がスタンプで押される.さらには優待券の使用日,ゴルフ場名もわかるようになっている. ゴルフ場の来場者を増やし,地域経済の活性化につなげるために,これらのデータを有効活用する取組みが始まった.データ解析の内容を公開したいところではあるが,大人の事情により,今は出来ない.具体的な成果が出てくれば,お話するチャンスがあると思う.
(1) 一季出版(株)発行のゴルフ特信調査(令和5年4月中旬調査)
長沼 恒雄,データサイエンティスト,博士(情報科学)
株式会社アスカクラフト,アスカカンパニー株式会社に勤務.
株式会社サクラクレパスで品質管理を担当.その後,父親の経営するアスカカンパニー株式会社に入社し,アメリカの現地法人社長などを経て,2代目の後継者として約20年間社長として会社を牽引.現在は3代目の弟の長沼誠に社長をバトンタッチ.